肌を保湿するモイスチャライジングの重要性。保湿化粧品を使わないというのは、美容の世界では異端とも言えることです。けれども、乳液などなくてもなんの問題もなく暮らしている人もいます。あなた自身の肌のうるおい度を知ることが、あなたに合った正しいモイスチャライザー、保湿化粧品を見つける鍵になります。

単にオイリースキン、ドライスキン、ノーマルスキン、といった分け方をするのが保湿の答えというのは、かなり古い考え方です。気候の変化や環境汚染といった外部からの要因や、ストレスやホルモンの変動といった内部の要因の組み合わせによって、肌はその時々によって違ったものを必要としていることは誰もが知っています。

真皮から表皮への水分の補給と、肌の表面にバリアを作り水分の蒸発を遅らせる皮脂の2つが、肌のうるおい度を決めます。歳を取るにつれて皮脂レベルと保水レベルは共に減少します。これまでは保湿の必要がなかった部分が突然乾燥ぎみになり、スキンケア化粧品の助けが必要になることもあります。

肌に潤いを与える保湿化粧品はモイスチャーライザーともよばれ、今ではスキンケアテクノロジー革命のおかげで、個人の常に違う肌のニーズのために、色々な効能のもつ成分を含むクリームが、さまざまな価格帯のものから出ています。老化防止、汚染防止、紫外線防止、抗酸化作用などはほんの一例にすぎません。

現代のスキンケア製品の裏側には巨大な科学研究所や多くの研究員が存在しています。私たちは今や人間の肌の成り立ちや機能を理解しているだけでなく、肌そっくりのものを再現したり、肌の最も深い層にまで有効成分を届けることができるのです。昔は化粧品がそれほど深くまで浸透するのは考えられませんでした。

あらゆるテクスチャーの保湿化粧品が、あらゆるスキンタイプ向きに市販されていますが、大きくは2つのタイプに分けられます。温潤効果のあるものと、閉寒作用のあるものです。温潤系のものは真皮の内側から水分を引き出し、肌の表面にうるおいを与えたり、うるおいを外気から引き寄せる働きをします。

乾燥肌のドライスキンに向いている閉寒系のものは、肌の表面に油分の皮膜を作り、うるおいが蒸発しないように閉じ込める働きをします。また、オイリースキンには脂性肌に向いた油分を含まないエマルジョンタイプもあります。これは吹き出物を抑えるために、ノンコメドジェニックという表示のものを探しましょう。

他にさらに乾燥した肌向きの油分と水分が混じりあったタイプもあります。どんな肌質、スキンタイプの人も保湿化粧品をつける前には、肌を少し湿った状態にしておきましょう。そうすれば乾燥前とくらべスキンケアの保湿成分がより深く肌に浸透して、必要以上にモイスチャライザーをつけすぎてしまうのを避けられます。

また、乳液やクリームをただつけるだけでは肌に水分を行き渡らせることはできません。たくさんの水を飲むことも肌には必要です。オイリーな部分と乾燥した部分の両方がある人は乳液をつけたくなりますが、古い角質を取り除くのも大切。肌にうるおいを与えてもはがれた表皮を肌につけることはできないのです。

保湿の重要性が最も高いのは、目の周りです。目の周りの肌には開いた毛穴はありません。皮脂腺もほとんどないため、とくに保湿のスキンケアで保護する必要があります。寒さや熱に耐えるように、たっぷりとクリームを塗りましょう。ただし仕上がりはあくまでマットに。オイリーにならないように注意が必要です。