—黒ミサ魔女の歴史ウィッチメイク
ウィッチメイクは、古代ギリシャから中世ヨーロッパ、中世イギリスの歴史の闇に実在した黒ミサ、魔女にインスパイアされたメイク。ウィッチとは血も扱う黒魔術と妖術を司る魔女。黒ミサとは魔女と悪魔崇拝者が集う宗教や教団。魔女集会、悪魔の儀式サバトでは、毒薬や媚薬も扱い16世紀のフランス貴族も関わりました。

01. Makeup / メイクイメージ
このメイクの目的とコンセプトは、歴史に伝わる魔女伝承、黒ミサのウィッチを、あなたの現代のモードメイクへ再解釈。蛛の足のような長い下まつ毛、神秘的な青でミステリアスなダークフェミニンを表現。アイメイクは蜘蛛の巣へ絡みつく魔力、マジックシアン。リップは十字架の影へ宿りつく霊力、ミッドナイトブルー。

02. Vampire / ヴァンパイア
魔女の起源は古代ギリシャ時代、エーゲ海のテッサリアが発祥地。ギリシャ神話の神々に信仰した古代ギリシャ人は、冥界の神ヘカテを畏怖し崇めました。死と魔術を司るヘカテは夜、死霊モルモーやエンプーサを連れてさまよい、血を要求する守護神と人々は恐れ、ヘカテを崇拝する魔女は儀式で血を捧げ、吸血もしたのです。

03. Death Cult / デスカルト
古代ギリシャ人は満月の夜、ヘカテの狂気と悪夢を鎮める為、子羊の生贄と供物を捧げました。テッサリアの魔女達は、魔術の守護神ヘカテに守護と加護を求め、願いを叶える魔術の儀式を執り行い、狼や羊の腹の胎児の血を捧げ、さらに墓場から掘り返した新鮮な若者の死体をナイフで裂き、祈祷を深める為に血も飲みました。

04. Satanism / サタニズム
黒ミサの歴史は19世紀から絵画の芸術化も始まり、現代では魔女が題材の映画、音楽はブラックメタル、ゴシックメタルが北欧と英国で人気ですが、国の土地柄と血筋の影響もあるのでしょう。映像や写真の黒羊、暗い森と教会、五芒星のペンタグラム、宗教風ゴスメイクは西洋に古くから伝わる魔女伝説と繋がっているのです。

05. Black Sabbath / ブラックサバス
中世ヨーロッパ時代、教会と対立した黒ミサ。その魔女に相応しいメイクはどんな色でしょう？聖なるローマ教会、カトリック教会の聖職者はカーディナルレッドという赤い祭服で正装しました。では逆に邪教や異教徒ともされた黒ミサのメタファーとなる色、それは赤と対抗する真逆の色、青も魔女を象徴できる色でしょう。

06. Witchcraft / ウィッチクラフト
ミステリアスな青色はウィッチに相応しい色。赤が衝動性、情熱、狂気、行動力を示す色なら、反対色の青は冷静さ、神秘、魔術的な知性、知的な探究心を示す色。また芸術家ピカソの絵画、青の時代のように、陰鬱さと内面性も秘める青は、物質だけではなく目に見えない霊的な精神も司る、魔術を体現したシンボルカラー。

07. Midnight / ミッドナイト
次にキリスト教、イエスキリストがゴルゴタの丘でイバラの冠を被り、十字架の上で処刑された時刻は午後15時でした。黒ミサのサバトは伝承では人目のつかない深夜、正反対の午前3時に行われたのです。その真夜中の暗黒や黒いカラスを象徴する、黒に近い紺色のミッドナイトブルーも、青と同じくウィッチに相応しい色。

08. Occult / オカルト
そして古代から欧州では魔女や悪魔の霊は、イエスの福音と陽光を閉ざす森に潜むとされ、黒ミサが集う夜会は、薄暗い森奥の廃墟と化した教会や寺院、地下礼拝堂、古びた修道院が好まれました。廃墟とは蜘蛛の巣となった鏡、古びた祭壇、蜘蛛の糸に支配された暗闇。そこにうごめく蜘蛛も、黒ミサのメタファーでしょう。

09. Black Magic / ブラックマジック
これら古くから伝わる魔女伝承のメタファーを、外界のメイクへ視覚化させると、蜘蛛の足をイメージした長い下まつげ、アイカラーは内面の霊的な知性と魔術師のミステリーな魔力を体現した青、リップは黒ミサが集う真夜中と、ゴシックロマンスな黒服の魔法使いも連想させるミッドナイトブルーでウィッチを表現します。

10. Magical Color / マジカルカラー
あなたのアイカラーに使う青は、古代の歴史では青色顔料は希少で、魂の色、魔力の色ともされ、青い大空は手で掴めず、青い炎に触れることができない人間にとって、青は神秘的な魔法の色とされました。アイシャドウは淡いブルーかシアン、テクスチャーはマットタイプの質感、ぼかした妖気漂う青でミスティカルに演出。

11. Eye Shadow / アイシャドウ
あなたのアイメイクは、淡い青のマットアイシャドウでグラデーションを作り、目元に立体感と陰翳を深めていきます。反対に濃い青やツヤタイプのテクスチャーはクール路線な瞳となってしまい、ダークフェミニンな魔女メイクのイメージと異なるので注意。瞳はミステリアスな淡い青とマットタイプの質感でぼかしましょう。

12. Eyelash / アイラッシュ
このメイクポイントの1番は、蜘蛛の足のような細長い下まつ毛のアイラッシュの使い方。毛先が細く長いカールしたつけまつ毛を、下まぶたに下方向へ長くさせるつけ方がコツ。下まつ毛専用のアイラッシュは、グランジで無造作な動きのクセがついた、毛先が長いつけまつ毛がオススメ。幻想的で妖艶な魔女の眼差しへ。

13. Eyeliner / アイライン
それからあなたの上まぶたへ漆黒のアイライナーまたはアイペンシルで、まつ毛とまぶたの隙間を埋めるように細いラインを引き目力を強調。アイラッシュカーラーのビューラーで上まつ毛をカール、マスカラで上つけまつ毛と自まつ毛を一体化させましょう。黒い陰影の動きが生むダークでセンシュアルな目元へ仕上げます。

14. Dark Lips / ダークリップ
あなたのリップカラーは、最初に黒に近いミッドナイトブルーの口紅を塗り、次にラメ入りのグロッシーな質感のリップグロスを唇へ重ね塗りします。マットな質感の目元とは反対に、ツヤとラメがキラめく口元は暗い夜に輝く星空、表情に動きのコントラストが生まれます。退廃的でも官能、ダークロマンスな反逆者の唇へ。

15. Cosmetic / コスメティック
ちなみにミッドナイトブルーとは50年代フランス、オートクチュールのファッションデザイナー、クリスチャンディオールがブランドカラーに好んで使い、この色の名称は世界で有名になりました。ダークカラーの化粧品はCHANEL、YSL、MACのイメージが強いですが、Diorもミッドナイトブルーをリリースしています。

16. Base / ベースメイク
あなたのベースメイクは、ウィッチの神秘的な肌。それは魔女や魔術使いの意思を秘めた、繊細で閉鎖的なハーフマットな肌。イメージは薄暗い森の中、ロウソクと黒い哲学書グリモワールを抱えて歩く魔女。メイクパーツはダークトーンでも、肌はイノセントで薄づきなマット肌で抜け感と強弱をつけるのもメイクテクニック。

17. Mystic / ミスティック
セミマットスキンはダークメイクも際立ち、魔女の謎めいた印象にもシフト。逆にツヤタイプの肌は、光の反射による立体感でアクティブ感が強まる為、ダークフェミニンへ際立つセミマットがベスト。下地やBBクリーム、リキッドでもパウダーファンデーションのようにダークフェミニンなセミマット肌へ仕上げましょう。

18. Nosferatu / ノスフェラトゥ
また魔女はヴァンパイアと深く関係し、時に同様ともされ、吸血鬼伝説はルーマニアが有名ですが起源は古代ギリシャ、魔女の発祥地テッサリアへ辿り着きます。吸血の魔女、テッサリアの巫女は最も古くから伝わる吸血鬼伝承で、魔術の守護神ヘカテの儀式では血を捧げ、死者の血も飲むことで神と一体となり祈りを深めました。

19. Wizard / ウィザード
冥界の女神ヘカテは、吸血鬼と魔女の始祖と呼べますが、古代のギリシャで血は、生命を保つ神聖な力が宿ると崇拝され、血液は神へ捧げる最も貴重な供物でした。ギリシャ神話の神々に信仰した古代ギリシャ人は神の怒りを鎮め、守護を祈る祭儀を厳密に執り行い、血が保たれた動物の生贄、心臓の供物を祭壇へ捧げたのです。

20. Summary / サマリー
最後にこのメイクを要約すると、アイメイクは聖職者のカーディナルレッドと対となる青。リップはイエスキリストが十字架で死を迎えた15時と真逆、黒ミサが集う深夜3時の黒に近い真夜中の色ミッドナイトブルー。森奥の廃教会に潜む蜘蛛の足のような下まつ毛、セミマットな肌でダークロマンティシズムな現代のウィッチへ。

21. Baphomet / バフォメット
黒い山羊の頭と黒い翼で有名なシンボル、バフォメットとは黒ミサを司る悪魔。古代から中世ではコウモリ、黒ウサギ、黒猫など黒い動物は冥府の神の使いとされ、特に珍しい黒山羊は、神秘的な悪魔の力も秘めると言い伝えがあり、バフォメットは魔女や悪魔崇拝の教団から、サタン崇拝の神像として現代へ伝承されました。