自分だけの便利なメイクセットをつくる。メイクアップアーティストのボビイブラウンは、どんな人にメイクをするときでも使える完璧なメイクセットを用意しなくてはなりませんでした。街一番の高級百貨店に行った彼女は、見つけられる限りの高いメイク用品を買いそろえました。値段が高いなら、きっと品質が良いと思ったからです。

それはとんでもない勘違いでした。ボビィブラウンが買ってきたものの多くは、どうしようもなく使いづらかったのです。少しも無駄にしたくはなかったので、重ねたり混ぜたりして、どんな肌の色にも合わせられる方法を覚えなくてはなりませんでした。実際、ケースに入れて持ち運べる量は限られているのです。

ほとんどのメイクアップアーティストが同じことをしています。だから、期待はずれの化粧品を捨てたり、友達に譲ったり、すでに気に入っている数少ないアイテムだけに執着したりする前に、ボビィブラウンの実体験から、気に入らないメイクアップ化粧品を使いこなす彼女のコツとテクニックを参考にしてみましょう。

もし合わない色を買ってしまったとき。ファンデーションが明るすぎる場合、肌の色に比べて明るすぎる、またはピンクのトーンが強すぎるなら、ブロンジング パウダーを使ってあたたかく深みのある色にできます。色が微妙に合わないだけなら、ブロンジング パウダーを、頬、額、鼻、あごにおき、よくなじませるだけで大丈夫。

逆にファンデーションが濃すぎる場合。これは調整が難しく、解決できないかもしれません。塗る前に手の上で、色つきでないモイスチャライザーと混ぜて色を薄くするという方法があります。残念ながらそれでもうまくいかなければ、日焼けをする夏の肌用としてお使いになることをおすすめします。

チークがあざやかすぎた場合。ここでも重ねることがポイントです。まずナチュラルなチークをつけて、その上にあざやかな色をさし色として重ねると明るい印象が生まれます。チークが地味すぎた場合も、あざやかすぎる場合と方法は同じです。まず落ち着いた色を最初につけて、その上にあざやかな色をほんの少し重ねます。

買ったリップスティックがあざやかすぎた場合。どんな人でもメイクバッグには必ずベージュのリップを入れておくこと。これはボビィブラウンがメイクを学んできた中で最も重要なことだったそうです。まずベージュを塗っておけば、どんなにあざやかなリップでもトーンを押さえることができます。

ベージュのリップスティックを塗る量を増やせば、色はさらに落ち着きます。好みに合わせて量を調整しましょう。これはベージュにだけ執着しなくても構いません。他にも白いリップスティックは、重ねると濃い口紅を淡くできますし、反対に黒いリップは、淡すぎる口紅に重ねれば深みのあるモード系の濃さに調整できます。

間違えて買って失敗した普段使い用の化粧品は、昼用メイクを夜用メイクに活かすというのもあり。普段の日常使いのアイシャドウでは、夜用メイクには印象が弱いかもしれません。アイライナーに黒を使いましょう。ジェル、ペンシル、パウダー、どのタイプでも構わないので、まつげに沿って黒のアイラインを入れるだけで、

一気に華やかな印象が加わります。ボビィブラウンは下まぶたにブラウンのラインを入れるのが好きだったそうです。それなら重くなりすぎずに目をぱっちりと見せることができるからです。チークやブラッシュは、ぜひ輝きをプラスしましょう。ブラッシュの上から同系色のシマーブリックを軽くひとはけします。

昼用の日常メイクのリップスティックも、買ったあと実際につけてイメージが違った場合も、夜用メイクに生かしてみましょう。夜だとやっぱり印象が弱いこともあるので、リップのそれより濃い色のリップライナーを使って、ラインを引いて内側を塗りましょう。あるいは濃い色のグロスを重ねてもいいでしょう。

冬に普段愛用のファンデーションが乾燥するとき、ファンデの発色やカバー力を損なわないように冬用クリームでリッチな保湿をするのがベスト。ブロンザーが光りすぎた場合は、夏には顔全体にイルミネイティング ブロンザーをつけますが、顔色が白くなる季節には、チークのように頬の高い所だけにのせるほうがきれいに見えます。