オールインワン化粧品の注意点と効果。オールインワン化粧品とは、洗顔後に化粧水、美容液、乳液、クリーム、といった順番にいくつもつけていたスキンケア化粧品が、たった1つで済む便利な化粧品がオールインワンといわれています。スキンケアばかりか、日焼け止めや化粧下地などベースメイクの役割もあるタイプも。

オールインワン化粧品のラインナップは今では豊富です。一見便利に見えるオールインワン化粧品ですが、考えてみると人それぞれ、個別にあるはずの肌質や肌の悩みに対し、本当にたった1つのアイテムで対応することができるのでしょうか。そもそもスキンケアの基礎化粧品には、なぜ個別の役目があるのでしょうか？

化粧水の働きは角層に水分を与えて、肌にうるおいをもたらすことですが、美容液をつけるときに化粧水で肌を保湿しておくことで美容成分の肌への浸透がよくなります。一方、乳液やクリームなどの油分の多いものには、化粧水などで角層に与えられた水分を逃さないように、肌に油膜のフタをつくる効果があります。

同じ保湿目的の化粧品であっても、各スキンケアの役目にこれだけの差があり、さらに肌質別に配合する成分の処方が変えられているのです。オールインワン化粧品は、忙しい日や旅行先など、スキンケアの時間がとれない日、またはケア時間を最小にしたい最終手段として使いたいものです。それはなぜでしょうか？

まずオールインワン化粧品の中でも透明なオールインワンゲルは、主に水溶性成分でつくられていて油分が少なめです。白っぽく乳化されたオールインワンゲルには微量の油分が配合されていますが、その配合率は乳液の約10%～50%、エモリエントクリームの約20%～50%と比較すると少なめ。どちらも水分を逃さないための、

油膜効果は低いアイテムです。そのためオールインワン化粧品だけのお手入れでは、肌の水分のキープ力が弱く、乾燥小ジワができてしまう危険もあります。矛盾しているようですが、肌の乾燥を防ぐために、オールインワン化粧品を使った後で、肌質によって油膜効果のある乳液やクリームの保護も必要な場合があるのです。