—冥界のギリシャ神話ペルセポネメイク
ペルセポネメイクは、ギリシャ神話に伝わる冥王ハデスの王妃、春の女神ペルセポネにインスパイアされたメイク。ペルセポネとは冥王の妃として、1年の1/3は死神のいる冥界に住み、地上へ帰還した時は、冬の大地に春をもたらす死と再生を廻る女神として、古代ギリシャの歴史で、はるか最古の紀元前から伝承されてきました。
01. Makeup / メイクイメージ
このメイクの目的は、古代ギリシャからの伝統、冥界と四季のギリシャ神話で語り継がれた、春の女神ペルセポネを、あなたの現代のモードメイクへ再解釈。生と死、蘇りの春を司る、ペルセポネを春メイクで表現。アイメイクは虚無に消え去る雪の幻影、スノークローム。リップは忘却に散りゆく春の桜花、チェリーブロッサム。
02. Demeter / デメテル
これはギリシャ神話、冥界の伝承。豊穣の女神デメテルの美しい娘、ペルセポネが緑豊かな花畑で、花を摘んでいたある日。少女が優美な水仙を見つけると、魅了されて掴んだ瞬間。大地に深淵が開き始め、黒い馬車が突然と現れ、少女は未知の闇へと拐われ消えてしまったのです。デメテルは失踪した娘を必死に探し始めました。
03. Hecate / ヘカテ
デメテルは真夜中も、松明の灯火で見つからない娘を探し続け、途方にくれていた時でした。月夜に暗闇の中をさまよう、魔術と死を司る女神ヘカテが、悲しむデメテルに会いにきたのです。ヘカテは冥界と地上を自在に行き来でき、魔術で遥か遠くも見透せていた為、行方不明の娘は、冥王ハデスが冥界へ拐ったと助言しました。
04. Hades / ハデス
あの堅実なハデスがなぜ？疑ったデメテルは天界に戻り、ゼウスと神々に冥界から娘の帰還を協議。するとデメテルが知らない間、ペルセポネの父ゼウスに、娘を花嫁に迎えたいと相談していたハデス。ゼウスは闇の国で孤独な冥王に同情し、勝手に娘を与えた真実を知ったのでした。デメテルは激しい苦痛と怒りに震え始めます。
05. Catastrophe / カタストロフィ
神々はデメテルに、娘が冥王の妃なら最大の名誉になると慰めますが、娘と会えない怒りで決心したデメテルは、神々が集うオリュンポスから去り、一切姿を消します。農耕と大地の豊穣神、デメテルの絶望と悲しみで、地上は草木が枯れ果て、穀物や果物も育たない、寒く荒廃した死の大地となり、深刻な大飢餓に襲われました。
06. Infernal / インファナル
ゼウスは大地の危機と女神の怒りを静める為、ハデスに命じ、ついにペルセポネは、伝令神ヘルメスの馬車で地上へ帰還。娘の再会にデメテルの喜びが大地に溢れると、実り豊かな芽吹きの春が再来し、ペルセポネは春の女神と讃えられました。しかしハデスの館でザクロを食べた掟で、1年の1/3は冥府に住む女王となったのです。
07. Persephone / ペルセポネ
このメイクはその冥界の神話、春の女神ペルセポネを体現。蝶の羽のアイラッシュは花畑にいた女神の周りを、花の甘い香りに誘われて羽ばたく、死者の魂とも呼ばれた蝶。クロームに輝くアイカラーは灰色がかった冬と、煌めく雪解けを表現。白っぽいピンクのリップは春に咲き誇る花、冬から春へ変わる死と再生のメタファー。
08. Butterfly / バタフライ
最初にギリシャ神話、ペルセポネを形作る象徴は何でしょう？まず1つ目は蝶や蛾。蝶は古代ギリシャや欧州で死者の魂のシンボル、死者の魂を運ぶ黄泉の国の使いとされ、肉体から離れた魂が物質的な姿をとる際、その1つが蝶とされました。春に羽ばたき、死者の魂が宿るとされた蝶も、冥界と春を廻る女神ペルセポネの暗示。
09. Judas Tree / ジューダスツリー
次に春のギリシャは桜のように、ユダの木が咲き誇ります。ユダの木とはキリスト教が由来。レオナルドダヴィンチの絵画で有名な、最後の晩餐にイエスキリストは、12使徒のユダが裏切ると予言。翌日イエスを磔刑の十字架へ捧げたユダが、贖罪で首を吊った木とされました。そのチェリーピンクの花もペルセポネに相応しい色。
10. Color / カラー
あなたのメイクカラーは、アイカラーはホワイトクローム、この色はペルセポネが冥界にいる間、地上の生命が枯れ果て、死の季節となる灰色の冬と雪の体現。同時に春の陽光に輝く、雪解けも秘めた色。リップとチークはチェリーピンクで統一、この色はペルセポネが地上へ帰還し、大地に春が訪れ、桜色に咲く春の木々を体現。
11. Texture / テクスチャー
あなたのメイクテクスチャーは、瞳は繊細な光沢感で輝くグリッター。この質感は凍てつく冬と雪、また春が近づいた陽光で、煌めく雪解けのメタファー。繰り返す四季に白く輝いては消える、儚い雪の美しさと、時の流れの速さを暗示。そして肌は控えめで上品なツヤ感、これはペルセポネが野原で花を摘むアクティブ感を表現。
12. Eyes / アイメイク
あなたのアイメイクは、パウダーアイシャドウよりも質感と発色の良い、落ちにくいジェルアイシャドウか、クリームアイシャドウがオススメ。特に繊細に輝くパールなクローム色は、まぶたへ馴染みやすく自然に一層輝き、粉が飛び散るミスも防げます。アイラッシュは死者の魂とされた、蝶の羽のデザインのつけまつ毛で装飾。
13. Lips / リップ
あなたのリップは、ペルセポネが冥界から地上へ帰還した時、春の花が咲き始め、春の訪れと期待を感じさせる口元。リップカラーは春の花を象徴したチェリーピンク。この明るいトーンの口紅の塗り方は、最初にリップコンシーラーで唇をカバーし、唇のくすみ解消がコツ。色味を補正することで明るい桜色が美しく発色します。
14. Base / ベースメイク
あなたの肌は、花畑で妖精のニンフと花を摘むペルセポネが、陽光の光で上品に艶めくアクティブな肌。ツヤタイプのオークルトーンのリキッドファンデーションと、ハイライトとシェーディングは、リキッドタイプのイエローゴールドで、控えめな光沢感ある上品な肌へ。チークはパステルピンクでフェミニンな暖色感をプラス。
15. Balance / メイクバランス
このメイクテクニックのコツは、古代で乙女を意味するコレーとも呼ばれた、ペルセポネのフェミニンさもメイクポイント。メイクの形もアイカラー、チークカラー、リップメイク含め、エレガントな丸みある形状を意識。リップの選び方は白っぽさが入った膨張色にすると、リップグロスなしでも膨らみある口元へ仕上がります。
16. Summary / サマリー
最後にこのメイクを要約すると、クロームのアイカラーは灰色の冬と、春の陽光に煌めく雪の体現。蝶のアイラッシュと桜色のリップは、死者の魂と呼ばれた蝶が春の花に舞うメタファー。白く輝いては消える雪と、短命に散る春の花は、命の儚さと死の鋭さも秘めており、死者の国の女王、ペルセポネの2面性も暗示しています。
17. Seasons / シーズンズ
ハデスは妃のペルセポネに、冥界で最大の支配権を与えると約束し、やがてペルセポネも誠実な冥王を受け入れたのでした。豊穣神デメテルは、娘のペルセポネが地上へ戻り会える間は喜び、大地は豊穣と春の花で溢れますが、娘が冥界にいる間はデメテルも果実を実らせない為、再び荒廃の冬が訪れ、四季の起源となったのです。
18. Necromancy / ネクロマンシー
ギリシャ北西にあるハデスとペルセポネを祭る、石造りの遺跡ネクロマンディオは、古代の儀式では黒い動物が生贄に捧げられ、死者の降霊術も行われた呪術的な地下神殿でした。隣のアケロン川は古来より、黄泉の門へ繋がる現世と幽世の境目とされ、冥界には黒いポプラと柳が生えた、ペルセポネの森があると語られています。
19. Mysterion / ミステリオン
古代ギリシャ人は、神々と自然へ感謝と畏敬の念を忘れず、豊作の恵みと加護、神の怒りと災いを避ける為、心の中で祈る他、行動でも示したのです。神殿を建て、陶器と石碑に神々を描き、信仰と祈祷を深める儀式が執り行われた中、この冥界の神話は、エレウシスの秘儀という密儀宗教で、紀元前15世紀から語り継がれました。
